「人の子の生き死にも、境の乱れも同じ――小さなことよ。
あろうがなかろうが変わらぬもので、コンコーボーを煩わせるな」

実の名を、象頭山金剛坊。いわゆる「こんぴら様」として神格扱いもされている、日本五大天狗の
一員として数えられる、大天狗。
いかにも大天狗らしい、赤ら顔に高い鼻、山伏装束に一本足の高下駄、葉うちわという姿をしている。
背中には堂々たる羽を生やし、これをもちいてかなりの高速飛行ができる。
その名の示すとおり、もともとは香川県琴平群の象頭山に居を構え、四国中の天狗を統括する
大天狗であった。
人と妖とのいさかいが増加し、だんだん人が妖怪を追いやるようになっていく現実を静観しつづけて
いたが、やがて、四国中の妖が茂伸に逃げ込み、茂伸で七面頬とひめみやとが"見えず触れず"の協約を
結ぶ段になり「なれば、ワシが人を厭うた妖怪どもの面倒を見よう」と、茂伸入りし、"むこう側" に
とってのひめみや的な、秩序を司るための存在となった。

自らの力がいかに強大なものであるかを熟知しているが故、その行動は、ひめみやに輪をかけた、
ほぼ徹底的な放任主義に基づくものとなっている。
基本は不干渉だが、千里眼と高速飛行と御形とを駆使したその監視力は、まったくモレの無いものであり、
"協約"を乱すような不審な動きが明らかになった場合には、なんの躊躇もなくその動きを駆逐する。